「面接で何を聞かれるんだろう」「未経験の自分が、経験者に混じって通るのかな・・・」——Webディレクターの面接を前に、そんなふうに不安になっていませんか?
ネットで検索すると「よく聞かれる質問と模範回答」はいくらでも出てきます。でも、実際に受けてみて、そして今は採用する側(これまで30人ほど面接してきました)に回ってみて思うのは、面接の本体は模範回答の暗記ではない、ということです。
この記事では、採用側が面接で本当に見ているポイントと、実際によく聞かれる質問への向き合い方を、受験する側と採用する側の両方の目線でお話しします。デザイナー・コーダーから未経験でディレクターを目指す人に、いちばん役立つように書きました。
採用側が面接で見ているのは「書類で分からない部分」
まず大前提から。あなたの書類が通って面接に呼ばれた時点で、採用側は「スキルはたぶん合いそうだ」という仮説を持っています。つまり面接は、その仮説を口頭で確かめつつ、書類だけでは分からない部分を見る場なんですよね。
その「書類で分からない部分」が、次の3つです。
コミュニケーションが取れそうか
いちばん見ているのはここです。ただ「明るくハキハキ」みたいな話ではありません。僕が採用側として見ているのは、質疑応答でこちらの意図を汲んで答えられているか、という一点です。
質問の意図が分からなかったときに、勝手に想像でズレた答えを返すのではなく、「それはこういう意味でしょうか?」と確認してから答え直してくれる。これができる人は、入社後も仕事の認識合わせでつまずきません。ディレクターは人と人の間に立つ仕事なので、ここは本当に大事にしています。
人柄・一緒に働けそうか
スキルが同じくらいの2人が並んだら、最後は「この人と一緒に働きたいか」で決まります。無理に自分を作る必要はなくて、素直に受け答えできているかを見ています。
年齢・チームとの相性
これは応募者側からは見えにくいのですが、採用側は「今いるメンバーと年齢が離れすぎていないか」も気にしています。チームのバランスの問題なので、あなたの良し悪しとは別の話です。ここは面接というより、そもそもの募集条件の相性に近いところですね。
なお、スキルそのものがマッチしているかの「見られ方」は、書類・ポートフォリオの段階でほぼ決まっています。その中身は別記事に書いたので、あわせて読んでみてください。

面接の本体は「経歴の説明」と「スキルのすり合わせ」
ここが、他ではあまり書かれていない話です。
僕が受験する側だったとき、意外だったのは、転職理由や志望動機は思ったよりさらっと流されることが多かったことです。それよりも「これまでの経歴を説明してください」がほぼ主役で、そこから実際のスキルのすり合わせに時間を使う。この感覚は、採用側に回った今も変わりません。
だから、模範回答を丸暗記するより、この2つをちゃんと語れるように準備するほうが効きます。
「経歴を説明してください」が、いちばん聞かれる
ここでの正解はシンプルで、要点を絞って大事なところから話すことです。
ただ、これが難しい・・・。僕自身、要点を絞ろうとしすぎて話す順番がバラバラになり、「あれ、今なんの話をしてたっけ?」と自分でも分からなくなったことがあります(笑)
逆に、全部伝えようとしてだらだら話して失敗したこともあります。
コツは、案件ごとに「自分がどの役割で何をやったか」を先に言い切ってしまうことです。時系列を全部なぞる必要はありません。
あと、オンライン面接は相手の相槌が聞こえないので、無反応に感じて焦ります。そういうときは一呼吸置いて、落ち着いて話すのを意識するといいです。
志望動機は「経歴の流れ」で自然に結ぶ
志望動機って、面接では単独であまり深掘りされないんですよね。理由はシンプルで、書類にもう書いてあるからです。
だからこそ、独立した「志望動機」として気合いを入れて暗記するより、経歴の説明の流れで自然に結ぶのがおすすめです。
僕がよくやっていたのは、「これまでこういう経歴を積んできて、次のステップアップとしてこうなりたい。だから、方向性の近い御社を志望しました」と締める形です。経歴 → なりたい方向 → だからこの会社、とつながると、話に一貫性が出ます。
見られているのは、内容の巧さよりも、自分の言葉で喋れているか。ネットの例文をそのまま持ってきた感じは、面接官には意外と伝わるものです。
スキルのすり合わせ ― デザイナー・コーダー経験をどう出すか
未経験からディレクターを目指すなら、ここが勝負どころです。「ディレクターの実務」ではなく、「デザイナー/コーダーとして、どう携わり、どんな提案をして、結果どうなったか」を語れるようにしておく。その見せ方は前の記事にまとめたので参照してください。

ちなみに僕は、UI/UXデザイナーの面接も受けてみたことがあるのですが、話していて自分にはしっくりこない感触があって・・・。結局ディレクターの方が合っていると感じました。「やりたい」より「やれること」で選んだ話は、こちらに書いています。

「こういう失敗が起きたら、どうする?」と聞かれることがある
これは採用側になって分かった、ちょっと踏み込んだ質問です。僕自身、面接で「社内で実際にあったトラブル」を挙げて、「あなたならどう対応しますか?」と聞くことがあります。
なぜかというと、過去に誰かがやらかして問題になったとき、それと同じ考え方の人をもう一度採ってしまわないように確認したいからです。正解を探すというより、あなたの判断の癖を見ている質問だと思ってください。
キャリアプランは「ディレクターとして何がしたいか」
キャリアプランを聞かれると、つい「3年後は〇〇、5年後は〇〇」と年数で答えたくなりますよね。でも実際に開かれるのは、「ディレクターとして、この先どういうことがしたいの?」という方向性の質問です。
たとえばアートディレクション寄りに進みたいのか、進行や企画寄りに広げたいのか。ここを自分の言葉で持っているかが問われます。どちらを選ぶかで迷っている人は、キャリアの広げ方の記事も参考になると思います。

逆質問|用意した質問を潰されたときの切り返し
逆質問、地味に困りますよね。事前にいくつか用意していても、面接の説明の中でほとんど答えられてしまって、「聞くことがなくなった・・・」となることがあります。
そんなときのおすすめは、無理に別の質問をひねり出すのではなく、説明の中で気になった細かい点を「働き方のすり合わせ」として確認することです。「先ほどの〇〇のお話ですが、実際の進め方はどんな感じですか?」のように、話を踏まえた質問に切り替える。
実はこれ、僕自身がこのやり方で採用されたと、入社してから聞きました(笑)
用意した質問を全部封じられても、その場の話をちゃんと聞けている人だ、という印象につながったんだと思っています。
逆質問は「必ず1つは聞く」が基本です。給与や働き方などの条件面も、遠慮せず確認して大丈夫ですよ。
意外と差がつく、面接の段取り
最後に、中身の話ではないけれど地味に効くポイントを3つ。
志望度が高い面接ほど、日程は早く組む
これは採用側の本音です。良い候補者に出会うと、他社に取られないよう早めに内定を出すことがあります。裏を返すと、後の日程の人は、どんなに良くても採用側では「消化試合」になりがちなんです・・・。
だから、本命の会社ほど面接は早い日程で組んでください。ここで出遅れると、実力と関係なく不利になります。
証明写真は「スピード写真機」で撮っておく
画像をアプリに保存できるスピード写真機がおすすめです。保存しておけば、いつでもコンビニで印刷できるし、データ提出にもそのまま流用できます。スマホアプリでの撮影は、背景選びや白飛びが難しいので、あまりおすすめしません。
服装は「会社次第」。エージェントに聞くのが安全
これは本当に会社によります。僕は、その会社の雰囲気に合わせられるように、事前に転職エージェントから「ここはどんな服装がいいか」を教えてもらっていました。
基本はオフィスカジュアルで行くことが多かったですが、一度いろいろあってジーンズで行ったのに採用されたこともあります(笑)
それくらい会社次第なので、迷ったらエージェントに聞くのが確実です。オンライン面接なら、最低限は襟付きのシャツ、できればジャケットもあると無難です。
まとめ:面接は「その場の立ち回り」で差がつく
Webディレクターの面接で押さえておきたいことを、最後にまとめます。
- 採用側が見ているのは、書類で分からない部分(コミュ・人柄・相性)
- 面接の本体は模範回答ではなく、経歴の説明とスキルのすり合わせ
- 経歴は要点を絞って、役割から先に言い切る
- 志望動機は巧さより「自分の言葉」と一貫性
- 逆質問を潰されたら、その場の話から「働き方のすり合わせ」を聞く
- 本命ほど日程は早く。証明写真と服装は先に準備しておく
面接は、才能で決まるものではありません。相手の意図を汲んで、その場でちゃんとすり合わせる。これは準備と意識で、誰でも良くしていけます。
まずは、あなたの経歴を「役割から先に言い切る」形で一度声に出してみてください。それだけで、面接での伝わり方がぐっと変わります。
未経験からの全体の進め方はWebディレクターに未経験から転職する完全ロードマップに、面接前に感じる「きつそう」という不安については未経験でのWebディレクターはきつい?続く人と辞める人の差にまとめています。あわせてどうぞ。


