「Webディレクターに必要なスキルって、結局どれなんだろう・・・。」
検索すると「必要なスキル22選」みたいな記事が出てきますよね。でも読んでみると、どれも大事そうで、逆に「こんなに全部いるの?」と不安になりませんか?
僕は3回の転職を経て今はWebディレクターをしていて、採用・面接する側にもいます(これまで30人ほど)。その立場から言うと、22個全部をそろえる必要はありません。
この記事では、よくある「必要なスキル一覧」を採用側の目で色分けして、本当に効くスキルはどれか、資格は要るのか、そして自分のスキルの棚卸し方法まで、本音でお話しします。
「必要な22スキル」を採用側が色分けしてみた
マイナビクリエイターなどが紹介している「Webディレクターに必要な22のスキル」は、だいたい6つの分野に分かれています。ヒューマンスキル、問題解決能力、マーケティング、企画・提案、制作知識、そしてインテリジェンス(権利や経営、英語などの教養)です。
たしかに、どれもあるに越したことはありません。でも、採用する側として現場を見てきた僕の感覚で色分けすると、こうなります。
必須:ヒューマンスキル
リーダーシップ、マネジメント、コミュニケーション、スケジュール・予算管理。このあたりは僕自身も日々使っていますし、無いと厳しいです。ディレクターは人を動かす仕事なので、ここが土台になります。
人に任せてOK:問題解決の専門スキル
課題抽出・アクセス解析・統計学。ここは得意な人がチームにいるので、僕は任せています。
ただし、その人が出してくれた情報を読み取る力は必要です。これが無いと、次の企画提案につながらないんですよね。
基礎でOK:マーケティング・制作知識・インテリジェンス
- マーケティング:実務でゴリゴリやらないなら、基礎知識で十分だと思います。僕も100%理解しているわけではありません・・・。そもそも、ページの実制作と広告運用は別の会社が担当している、というケースもあります
- 制作知識(デザイン・コーディングなど):最低限は必要ですが、デザイナー・コーダー上がりなら問題なし。分からないシステム周りは、担当に聞けばいいんです
- インテリジェンス(権利・経営・英語):あれば良いね、くらい。必須ではありません
こうして見ると、22個を全部埋めにいくより、「どれが必須で、どれは任せていいか」を分かっているほうが大事なんですよね。
そして、この「人に任せる力」自体が、まさに大事なスキルだと思っています。
なんでも全部自分で解決しようとすると、どこかで無理が出ます。だからこそ、人にお願いできることが強みになるんです。
ただし、全部を人に任せてしまうと、今度は自分がいる意味がなくなります・・・。「ここは自分が」という居場所は、ちゃんと確保しておきましょう。
そもそも会社によってディレクターの役割はバラバラで、求められるスキルも変わります。このあたりは未経験のWebディレクターがきついと言われる理由の記事で詳しく書いています。
それでも本当に効く4つのスキル
「基礎でいい」ものが多いと書きましたが、逆に「これは効く」というスキルが4つあります。
1. コミュニケーション
指示がちゃんと伝わるか。そして、分からないことを素直に「分かりません」と言って確認できるか。制作の細かい知識より、この「聞ける力」のほうが大事だと思っています。
しかも相手は、デザイナーやコーダーといった作業者だけではありません。ディレクター同士でも、「誰がどの案件をどれくらい持つか」というリソース調整のやりとりが必要になります。人と人の間に立つ場面が、とにかく多いんです。
実際、今の職場にもコミュニケーションが得意でないディレクターがいて、意思疎通でうまくいかず苦労している場面を見ます。
2. 情報を読み取って企画に落とす力
分析そのものは、得意な人に任せていいです。でも、出てきた数字やデータを読み取って「じゃあ次はこうしよう」と企画に変えられないと、提案ができません。
3. 構成案を作る力
サイトの構成案を作れるか。ここは実のところ、作れなくても運用ディレクターとしてやっていくことは一応できます。
もちろん、さっき出てきたマーケティングや課題抽出・アクセス解析といった別の武器を持っているなら、それで十分評価されますし、給与も上がっていくと思います。
きついのは「進行だけしかできません」という状態です。この場合は求められる範囲が狭いままなので、ステップアップも、給与を上げていくのも難しくなります・・・。構成案でも分析でも、進行の外側に何かひとつ武器を持っておきたいところです。
僕がディレクターとして評価されたのも、もとをたどれば「構成案を作って、外注さんを動かして制作を回す」進行管理の力でした。
4. 分からないことを調べる力
全部の知識を頭に入れる必要はありません。むしろ、分からないことをその都度調べて埋められる力のほうが、長い目で見ると効きます。
デザイナーやコーダーから目指す人は、制作を分かっていること自体が武器になります。詳しくはデザイナーやコーダーからディレクターを選んだ理由の記事を読んでみてください。
「スキルがマッチしている」とは?採用側が書類で見る順番
採用側が書類でスキルを見るとき、実は見る順番があります。
僕がまず見るのは、案件の規模と業種です。次に、担当した工程。
たとえば「どのくらいのページ数のサイトを、どの業種で、どの工程まで担当したか」が書いてあると、こちらは「うちの募集とマッチしていそうだな」と判断しやすいんです。
逆に、スキル名だけがずらっと並んでいても、規模感や業種が見えないと判断に困ります。
作品そのものの見せ方はWebディレクターのポートフォリオの見せ方をまとめた記事、面接での伝え方は面接で採用側が見ているポイントの記事にまとめています。
Webディレクターに資格は必要か?【採用側の本音】
「資格を取っておいたほうが有利ですか?」ともよく聞かれます。採用側の本音を言うと、資格が決め手になることは、ほぼありません。
ただ、資格があると「この分野の知識はちゃんとある人なんだな」とは思いやすいです。あとは、その資格が募集している人材とマッチしているかどうか、ですね。
未経験の人の場合は、たとえばウェブ解析士のような資格を持っていると、「ポテンシャルはありそうだ」と見てもらえることはあるかもしれません(これは僕がそう思う、という程度の話です)。
そして、これは僕自身の話ですが・・・僕は転職に使える資格を持っていません。それでも3回転職できました。
以前の会社で「ウェブ解析士を取れ」と言われたこともありました。でも当時の僕の業務は、解析とは関係のない進行の常駐で、すぐ仕事に結びつく感じがしなかったんです。だから取りませんでした。もし必要性を感じていたら、勉強していたと思います。
だから資格は、「今の、あるいは次の業務に必要か」で判断すればいいと思っています。必要性を感じない資格に投資しても、なかなか続かないので・・・。
まず自分のスキルを棚卸しする(スキルシートの作り方)
必要なスキルが見えてきたら、次にやるのは自分の棚卸しです。
おすすめは、スキルシート(スキルマップ)を作ること。持っているスキルを、★の数や経験年数で並べていくだけです。
参考までに、僕が実際にポートフォリオに載せていたスキル一覧はこんな感じでした。
| スキル | レベル | 経験と内容 |
|---|---|---|
| ディレクション | ★★★☆☆ | 7年。指示書作成、スケジュール管理、ワイヤーフレーム作成など |
| HTML・CSS | ★★★★★ | 8年。ゼロベースからのコーディング、レスポンシブ・スマホ対応 |
| CMS | ★★★★★ | 10年。会社ごとに異なるCMSを使用。WordPressは独学で対応可 |
| JavaScript | ★☆☆☆☆ | 8年。カスタマイズ程度 |
| Photoshop | ★★★★☆ | 10年。サイト作成、バナー作成、画像加工など |
| Illustrator | ★★★☆☆ | 10年。DTP関連の制作など |
こうやって並べると、自分の強み・弱みがひと目で分かります。
そのうえで、応募したい会社の募集要件と突き合わせてみてください。足りていないところが、「次に埋めるべきスキル」です。
スキルはどう伸ばす?【AI時代のWebディレクター】
「足りないスキル、どう伸ばせばいいですか?」という話もしておきます。
僕のスキルの多くは、実務の中で自然に身につきました。構成案作成やスケジュール管理も、もともとできてはいましたが、その精度は昔より明らかに上がっていて、前より大きな規模のサイトも扱えるようになっています。
ただ、ここは少し反面教師にしてほしいところでもあります。
「やりたいこと」に結びつくスキルは、自分で勉強しておかないと、なかなか任せてもらえません。任せてもらうには、先に自分で投資して身につけておく必要があるんです。
僕は「できることベース」で仕事をしてきたので、腰を据えて勉強してきた機会は少なめでした。それでもここまで転職して生き残ってこられたのは事実ですが、伸ばしたい方向があるなら、先に勉強したほうが早いと思います。
最近の僕が勉強しているのは、AIです。会社でもClaude(対話型の生成AIの一つ)を導入して、使い始めました。
使ってみて思うのは、専門分野でも「必要最低限の基礎知識」は持っておくべきだ、ということ。
何も分からないままAIに丸投げしても、良いものは仕上がってきません。人がやるべきなのは、出てきたものが良いか悪いかを判断することです。だからこそ、いろんな分野の基礎知識を持っている人ほど、これから幅広い仕事をこなせるようになると思っています。
よくある質問
- 未経験でもWebディレクターになれる?
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なれます。ただ、未経験からいきなりディレクターを直接狙うと決まりにくいのも事実です。デザイナーやコーダーなど専門職を一段はさんでから、というルートのほうが現実的なことが多いです。進め方はWebディレクター転職の全体ロードマップの記事にまとめています。
- デザイナーやコーダーから目指すとき、何が武器になる?
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制作を分かっていること自体が大きな武器です。無理なスケジュールにブレーキをかけられますし、作り手に伝わる指示が出せます。そこにコミュニケーションが乗れば十分戦えます。詳しくはデザイナーやコーダーからディレクターを選んだ理由の記事へ。
- コーディングができないとダメ?
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必須ではありません。ただ、現場によってはサイトの更新作業をディレクター自身がやることもあります。そのときに問題なく対応できるだけの最低限の知識があると、応募できる求人の選択肢が広がります。
- 資格は取るべき?
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決め手にはなりません。今か次の業務に必要だと感じたら取る、で十分です。僕自身、転職に使える資格は持っていません。
- スキルが足りない気がして、応募をためらってしまう…
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募集要件を100%満たしている人のほうが、むしろ少ないです。大事なのは、スキルシートで棚卸しして、募集要件と突き合わせること。足りない部分は「これから伸ばします」と素直に言えれば大丈夫です。その整理は、転職エージェントも一緒にやってくれます。
まとめ
Webディレクターに必要なスキルは、ここを押さえればOKです。
- 「必要な22選」は全部そろえなくていい。必須はヒューマンスキル、あとは人に任せる・基礎でOK
- 本当に効くのは4つ:コミュニケーション/情報を読み取る力/構成案を作る力/調べる力
- 資格は決め手にならない。今か次の業務に必要かで判断する
- まずスキルシートで棚卸し → 募集要件と突き合わせ → 足りないところを実務や勉強で埋める
スキルの棚卸しと、募集要件との突き合わせは、じつは転職エージェントも一緒にやってくれます。自分だけで悩まず、Webディレクター転職のエージェントの選び方をまとめた記事も参考に、プロの目を借りてみるのも手ですよ。

